アトンメント会 聖ヨゼフ学園中学校・高等学校

創立年月日 1957年4月30日 所在地 神奈川県
校種 中学校/高等学校

中高一貫教育を行っているカトリックの女子校で、1学年2クラスの小規模校。 中学校は国際バカロレア中等教育プログラム(MYP)候補校としてIB教育の推進し、早期に認定校となることを目指しています。

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「信・望・愛」
聖ヨゼフ学園では、「信・望・愛」の建学の精神を校訓とし、次の具体的な教育方針を定めました。
(1)カトリックの教えに基づき、愛の心を涵養する。
(2)知性、徳性を高め、心身を鍛え、社会に貢献する人を育てる。
(3)神にいただいた個々の賜物に気づき、生かそうとする姿勢を育てる。
以上の教育方針に基づき、聖ヨゼフ学園では教科にとどまらず、ミサや他の宗教行事、修養会等の宗教教育に力を注いでいます。それらを通して、私たちは、この世の様々な問題を他人事にせず、自らの課題として積極的に捉え、人々の真の平和と幸福を創り出す人を育てる教育を目指しています。                                           
教育戦略

校訓「信望愛」から導き出される女性像
一人ひとりの女子生徒たちの幸せのために、何があればいいのか、何が必要なのか?中学・高校生活という子供から大人へ変化する過渡期、感受性豊かな時期、葛藤の反抗期、その一生を左右する大切な6年間で身につけなければならないものは、生きていくうえで核になる、物事や善悪を判断する価値観や困難や苦しい時を乗り越える力、それが聖ヨゼフ学園では校訓の「信望愛」です。

初代校長勝野巌神父様が戦後混乱した世の中で一番大切なものは、子どもたちへの教育だと思われて学校を創設。こんな時代だからこそ、子どもたちが人生を歩む中で、生きていくうえで羅針盤となる価値観がカトリックの教え、キリストの生き方にあると。おっしゃっています。カトリック的価値観とは、神様からの賜物としていただいた命と才能に喜び、感謝をもって、成長するために努力し、それらを社会のために生かし、貢献することに生きる意味や本当の幸せをつかむことです。それを明確に表現した言葉が、校訓である「信仰・希望・愛」です。       
この校訓「信望愛」から導き出される女性像として、次の3点が挙げられます。1.自分を大切に生きる、強い女性。神様と、神様からいただいた自分の命・才能を信じて(信仰)して生きてゆける女性。2.夢を持った、たくましい女性。夢を持つことが生きる希望になり、その夢の実現のために努力を惜しまず、毎日の生活を希望を持って生きる女性。3.身も心も美しい、優しい女性。信望愛の「愛」は、ギリシア語の「アガペー」「慈愛」であり、「人を慈しむ」こと。人を慈しみ、人を大切に思うことのできる心の優しさを持ち、愛に満ち溢れた女性。 この「自分を大切に生きる、強い女性」「夢を持った、たくましく女性」「身も心も美しい、優しい女性」が、校訓「信望愛」から導き出される女性像です。私はこういう女性がこれからの時代、社会あるいは日本、世界において貢献し、それぞれの使命、ミッションを果たしてくれると確信しています。

求める人物像

カトリックの価値観を具現化できる教員
聖ヨゼフ学園は、キリストの教えとカトリック教会に基づき、真の人間を育てる人格教育を展開しています。従って、この価値観を共有し深めることは、教員の基本的姿勢として何にも増して求められますし。しかしそれは、教員が教育のプロとして、具体的に個々の職務を十全に全うすることを通してのみ、深め、実現できる課題です。そこで求められる教員像とは、以下の5つに集約されます。                                 1..教員という仕事に対して喜びと誇りを持ち、教育のプロとして職務を全うし、人格者の育成を目指す教員としての熱意と誠意がある人物。
2.建学の精神に基づく教育の具現化を目指していくという信念を持ち、その価値観を共有することができる人物。
3.教職につくことを神の招きと享けとめ、神の似姿としての人間の命を預かる者の使命として、仕事を神聖なものとして捉えることができる人物。                
4・初代校長勝野巌神父の「持っていないものは与えられない」という教えに基づいた向上心を絶やさず、自分の「タレント(才能)」を生かしさらに新たな「タレント」を身につけるために、常に学ぶ姿勢を自らが示し生徒の模範なる人物。                                   5.生徒、保護者に対して誠実に接する人間性を保ち続け、すべての人間が「神様から愛され、望まれてこの世に存在している」ものであるということを前提とした対人関係を構築していける人物。

本校教員の仕事の紹介

 聖ヨゼフ学園の特色は、生徒数が学年90名2クラスと少人数であることがまずあげられます。そのため、どの先生方もたいていの生徒の顔と名前が一致しています。何か生徒に関して問題がおきたときも、多くの先生が様々なかたちで生徒との関わりを持っているので、教員同士の協力体制がしっかりとれていることをとても心強く感じています。担任として不安なときには、副担任の先生や管理職の先生など、相談にのってくださる先生方が多くいてくださることがとてもありがたいです。
最初に本校に赴任したときに、当時の教頭先生が大切にされているという、本校の創設者であり初代校長先生である勝野神父様からいただいた「自分が持っているもの以上のものは生徒に与えられません。だからあなた方はそのことを忘れずに努力をしてください」という言葉を教えてくださいました。その言葉は私の中にもとても強く残っています。教師の仕事はともすれば毎年同じことを繰り返していくように思われがちですが、関わっている生徒は日々成長していく存在です。その成長を応援し、手助けすることが教員の仕事である以上、常に自分自身が学び、成長していくことを止めてはならないと感じています。私自身はまだ経験も浅いですが、この先の人生で自分が得ていくことは、教師としてもっと多くのことを教えていかれることにつながるのではないかと思うと、経験を重ねて、年齢を重ねていくことを楽しみに思います。(平良)

キャリアイメージ

平良先生

本校での勤務は4年目で、今年度、高校2年生の担任をしております。各学年で担任として求められるスキルがあります。高校生は特に進路指導に重きがおかれていますし、特に2年生は具体的に進路を絞り込んでいく時です。いわゆる「こういうイメージがある」とか「一般的にはこうだ」ということを生徒は求めていません。当たり前ですが、教員としての指導を求められているわけですから、最先端の情報やデータをもとに、どのような生徒にも対応できるような幅広い明確な知識をもとに指導できないといけません。私自身は足りないことばかりですが、そうありたいと努力し続けることがこの仕事に取り組むうえで大切な姿勢だと思っています。
そして高校2年生は学校の中心学年ということもあり、多くの生徒はクラスの中で見せる以外の活動が学校生活の中心となっています。担任だけではそのすべてを見ることはできませんが、私はなるべく生徒のいろいろな面を見たいと思っています。ですから、日々いろいろな先生方とのお話を通してクラスの生徒の様子を伺えることをとても大切に考えています。そして、朝礼や終礼、掃除などで生徒たちと家でのことや趣味の話など他愛もない話をする時間が、私にとっては本当に楽しい時間です。意外な一面を知ったり、感心させられたり、そんな生徒との関わりこそが担任としての原点であるように思っています。
校務分掌では生徒指導部に所属し、主に生徒の委員会活動をサポートする仕事をしています。私はボランティアや募金を中心に活動するSJV委員会を担当して2年目になります。委員会は中学1年から高校3年までの生徒が縦割りで主体的に活動する場なので、自分が表に出ることはなく、生徒同士がつながれる工夫を考えることに力を入れています。次第に生徒の方から積極的な発言や取り組みがみられるようになってくるときに、何よりの喜びを感じています。

若手教員の活躍

鳥羽先生

本校で数学科の教員として働きはじめ、4年目を迎えました。
 1年目は、副担任として学年の生徒と関わりながら、授業準備に多くの時間を費やしていました。検討すればするほど授業での生徒の反応が良くなることを実感し、準備の大切さを学びました。
 今年度は、中1の担任・教務部・卓球部の顧問など、どうすれば授業以外の仕事をバランス良くこなせるか試行錯誤しながら過ごしています。担任として働いていると、クラスの生徒のことを最優先に考え動くので、どうしても時間が足りないと感じることがあります。しかし、日々ありがたいと思っているのは、仕事上の悩みをいつでもベテラン教員に相談できることです。親身に話を聞きアドバイスをくださる姿から、教員の姿勢を学ぶこともできます。
 中1の数学の授業では、少しでも分かりやすくなるように言葉を選んで説明し、板書も工夫します。授業中の理解はもちろんですが、生徒の印象に残り、家庭学習につながるように指導しています。また、集団で話を聞くときのマナー、けじめをつけ集中することの大切さ、提出物への取り組み方なども伝えています。
 生徒と接するうえで心がけているのは、「よく話を聞く」「よく褒める」ことです。生徒は大人ではないので、理論理屈や常識が通用しない面もあります。厳しく叱ることもありますが、まずは話をよく聞き、ありのままを受け入れ、「先生に分かってほしい」という生徒の気持ちをくもうと努力しています。自分の学生時代と比べたり、今までの経験だけをもとに話したりするのではなく、今この目の前の生徒に、どんなアドバイスをしてあげられるかと考えながら生徒指導に取り組んでいます。 
 今後も、多くの先生方に相談しながら生徒と接していきたいと考えています。

聖ヨゼフ学園教員の職業魅力

本校は中1〜高3まで各学年2クラスずつの小規模校です。休み時間などには授業を担当していない学年の生徒が声をかけてくれることも多く、アットホームな雰囲気の女子校です。また、体育祭や学園祭だけではなく、ミサや修養会などのキリスト教の行事を通して、多くの生徒とともに学び、ともに楽しむことができます。
 私はもともと数学が苦手で、人前で話すのも上手くありません。学生時代の私は「先生はコワイ」と思いこみ、教師に近づかないようにしていました。こんな私が教師として働いていけるのだろうか・・・と、本校で働く前はいつも不安でした。しかし実際は、生徒たちが人なつこく話しかけてくれることが嬉しく、そしてその会話を楽しいと思っている自分自身に気付き、驚く毎日です。私にとっては意外な大発見でした。生徒だった頃より、今のほうが学校生活を楽しんでいるかもしれません。生徒の成長をたすけ、応援するのが教職ですが、最近、私のほうこそ生徒にたすけられているのだと気付きました。生徒との関わりの中で、自分自身のものの見方や性格が少しずつ変わっていくのを感じます。最初は「自分には向いていない職業」と決めつけていましたが、今は教職に就いて良かったと思っています。
 周りの全てを一生懸命に吸収しようとする素直な生徒たちと向き合うとき、自分自身が未熟で申し訳ないと思うこともたくさんあります。生徒のお手本になれているだろうか、「先生」と呼ばれるのがふさわしい自分だろうかと自問し、落ち込むこともあります。しかし、私の誕生日にクラスで色紙を用意してくれたり、「学校の先生になりたい」という生徒の声を聞いたりすると、疲れが吹き飛びます。完璧な教師を目指すというより、これからも生徒からパワーをもらいながら頑張りたいと思っています。(鳥羽)